カンタン、キレイ、色あせない。ヨウシュヤマゴボウ染め
身の回りのヨウシュヤマゴボウの実がだんだん熟し始めました。実の汁は染色に使えるとの事だったので、その汁を使って試しに子どもと一緒に染め物をやってみました。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)はヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草です。大きいものでは2ⅿを越すほどに成長する大型の草本で、赤い茎が特徴的です。秋になると房状に黒い実がつき、これが染料となります。染料として見られているのは海外でも同じようで、アメリカではインクベリーとも呼ばれているとか。
なお、食品として売られている「山ごぼう」はアザミの根を漬物にしたもので、本種とは無関係です。ヨウシュヤマゴボウの方は、根から実に至るまで全草に毒があるため注意が必要です。
今回染めるのはウール100%の毛糸。染料はたんぱく質に吸着しやすいので、染め物はシルクやウールのような動物性の繊維からできているものの方が鮮やかに染まります。なので、植物性繊維のものを染める時は豆汁(ごじる)や卵白、牛乳に浸けたりしてわざとたんぱく質を吸わせて処理をすると綺麗に染まります。
染料の色を定着させるのに使う媒染剤。今回は焼きミョウバンを使います。ホームセンターやスーパーに売っているお手軽媒染剤で、動物の皮なめしのなめし剤にも使えます。この媒染剤の選択によって色も様々に変える事が出来ます。
染色液と媒染液は大体別々にするものですが、今回は試しに水・果実・媒染剤を目分量で同時投入。
袋を揉んで中の果実を潰し・撹拌します。どぎついピンク色になりました。この状態で3日ほど常温で放置します。
3日後の袋の中の様子。濁っていた液が透明になっています。毛糸もしっかり染まった様子。
袋から取り出して、水で洗います。
実の汁は毒なので、どの工程でも使う道具や場所に気を付けて作業をしています。いずれも洗えば問題ないとは思いますが、万が一の事を考えると普段料理に使う鍋なんかでの作業は避けたいところです。
洗えたらあとは乾燥させて完成です。
こんなに綺麗なピンク色に染まりました。
カンタン、キレイ、色あせない。某プリントサービスの文句がそっくりそのまま当てはまるヨウシュヤマゴボウ染め。その簡単さからは想像できないほど鮮やかな染まり具合はなかなか感動です。染め物を体験したい子どもなんかに特におすすめですが、いかんせん毒草の汁を使用するのでそこのところだけ注意です。
OK
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