毛皮をなめす(ミョウバンなめし)
1 2
山には色々な野生動物が棲んでいます。山に暮らしていると狩猟や害獣駆除なんかで捕らえられたそれらを肉として食べる機会もよくあります。基本的には食べるために獲るわけですが、せっかく頂いた命という事で、皮も有効利用できればと、時間があるときは毛皮なめしをしたりします。一連の工程の写真は揃っていないのですが、近年やった皮なめしの写真を織り交ぜながら大体な感じで紹介します。
イノシシが獲れました。 内臓は腐りやすいので真っ先に抜きます
運ばれました 軽トラは解体台にもなって便利です
正中線から四肢の先に向けて切り込みを入れ、皮を剥ぐ下準備をします
皮を引っ張ると肉と皮の境目がわかるので、そこを刃でなぞると皮が剥げていきます
イノシシは台の上でやることが多いですが、シカなんかは滑車で逆さ吊りにした状態で捌きます。なんででしょう。足が長いからでしょうか。
皮剥包丁
先のとがった刃物だと皮に穴が開いたりします。刃が弧を描いている皮剥包丁があるとその心配をあまりしなくていいので便利です。
前肢~頭あたりがやや大変ですが頑張って剥ぎます
シカやウサギは皮下脂肪がそこまで多くないので皮が剥ぎやすく、なめしやすいですが、冬場のイノシシは脂肪の量が多く、毛皮とほぼ同化しているような感じで上手に剥ぐのが難しいです。肉を美味しくいただくために、いかに肉の側に脂肪を残して皮を剥げるかが腕の見せ所です。イノシシには申し訳ないですが、ぼくは未だそんなにうまくできません。ただ、削いだ脂肪も熱して油を採ればまだ有効活用の余地はあります。
皮裏側に残っている肉や脂肪を取り除く、裏すき作業
皮の裏に脂肪や肉が残っていると、なめしの工程でカチカチになったり、腐ったりする原因になるので、きれいにそぎ落としていきます。シカの皮なんかは、お腹に固定した塩ビ管に毛皮を被せ、ガシガシ鉈で擦って脂肪を落としていくとやり易いです。高圧洗浄機でもできるらしいです。ただ、私見ですが、イノシシはなんだか脂肪のつきかたの問題か、それらの方法だとうまくいかないので、皮剥包丁でチマチマ皮下組織を削っています。
ちなみに皮下組織を削るときは毛根が露出するまでやってしまうとやりすぎです。
1 2
0 コメント:
コメントを投稿