2019/03/16

ヒサカキ茶
3/16/2019

ヒサカキ茶


知ってるものも、知らないものも適当に採集して帰ったら、食べられなくてもお茶にはなるシリーズ、今回はヒサカキです。榊(サカキ)は神事などでお馴染みの木本ですが、ヒサカキとは。その実態と、味にせまる。

ヒサカキ

ヒサカキはサカキ科/モッコク科ヒサカキ属の常緑小高木です。以前の分類ではツバキ科だったようですが、現在の分類体系ではサカキ科とされています。

サカキの方は、神の木で「榊」と呼んで字の如く、神事において玉串や、ぬさ、依代に使われます。常緑であるということが一つのポイントだそうで、年間を通して青々とした葉を付けているということから、霊力があるとされています。門松なんかも元は年の節目に歳神を迎え入れるための依代ですが、あれも常緑の松を使います。また、葉先、枝先がとがっているということも神が降りてくる依代に選ばれるポイントだとの事。

蕾のつく位置が特徴的です

ヒサカキとサカキはヒサカキ属とサカキ属で分類的には少し離れていますが、両方とも神事で使用されるという点で共通しています。本州の北に行くとサカキが分布していないため、この代用としてヒサカキを使うのだそうです。そのため、ヒサカキの「ヒ」は「非」榊、や、一回り小さいサカキということで「姫」榊という字があてられます。

ぼくの住んでいる地方はサカキの分布圏内なのですが、地理的に標高が高く、寒冷な場所で榊が生えていません。車などが普及していなかった昔は榊を暖かい麓まで採りに行くのが大変なので、わざわざ神事用に榊を集落内に植えたこともあると地元の人は話していました。もしかしたらヒサカキを使っていたこともあるかもしれません。

いつも通り細かく切って炒ります 炒った葉からは緑茶の茶葉のようないい香りがします

また、このヒサカキ、成分にアルミニウムを含んでおり灰汁柴(あくしば)とも呼ばれ、染め物の媒染剤としても使えるそうです。

淹れているときはトマトベースの濃い野菜ジュースのようなにおいがする

ヒサカキは、毒があるということも聞きませんが、特に薬になるという情報もなく、しかしなぜか、「ヒサカキ茶」として飲んでいる人たちが結構います。以前ヒサカキはチャノキと同じツバキ科だったので、「同じ科の木なら茶として飲めるんじゃない?」みたいな感じで飲み始めたのでしょうか。であるとすれば科が変わってしまった今は微妙な立ち位置です。そのお味やいかに。

ヒサカキ茶

飲む前からトマトベースの野菜ジュースのような個性的なにおいがします。味はというと、渋み・苦みなどなく飲みやすく、うっすら乾燥トマトのような味がします。人によって味の感じ方は色々あると思いますが、今現時点ではこれまでにないタイプのお茶です。おいしいかそうでないかと言えばどちらかというとおいしいです。
予想外の味覚を感じさせてくれる奥深きパーコレーター野草茶道、また一歩前進。
OK

1 件のコメント:

  1. こんにちは、榊茶
    三重県名張市の、一部で、呑まれています
    自分も、小さい頃、祖母が、神主だったので
    よく飲んでいました。

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