パ道の黎明 パーコレーター野草茶
西部開拓時代にアメリカで普及し、かつてはカウボーイ、今ではキャンパーなどの間で愛用されているコーヒー抽出器具、パーコレーター。その抽出の仕組みから、パーコレーターで淹れたコーヒーはまずいという事でも有名です。ぼくはあまりコーヒーにうるさい人ではないですが、そんなぼくでもパーコレーターで淹れたコーヒーは香りが飛んでしまって勿体ないと感じます。
でも、野外で便利なパーコレーター、何か使い道はないのか!
そうだ、お茶、淹れよう。
パーコレーター
コーヒーが淹れられるならお茶も淹れられるはず。そこで、パーコレーターでお茶を淹れている人はいるのか、ちょっと調べてみましたがほとんど検索にはひっかからず。
パーコレーターと言えば野外、野外のお茶と言えば野草茶ではないか!!抽出方法的にもどちらかと言えばこの道具はコーヒーよりも、野草茶のほうが親和性が高いのではないか・・・考えれば考えるほどに野草茶のための道具に思えてきます。
野外に繰り出し、その場にある植物を採集し、その場で茶を淹れ、大自然に囲まれ茶を嗜む。それは、まさに自然と人間の一期一会。茶道の心得に通じるのものがあるのではないか。和・敬・清・寂すべての要素がパーコレーター野草茶にはある・・・!
というわけでパーコレーター野草茶道、「パ道」の黎明をここに告げたいと思います。
とは言え、本当にパーコレーターで野草茶など淹れられるのか?ということでまずは実験。
現在冬真っ盛りということで、植物も限られています。そんな中で今回選んだのは「クマ笹」。葉っぱに殺菌作用があって、味噌を仕込む時に表面に敷いたり、魚を運ぶ際の梱包材になったり、入浴剤になったり、果ては笹船などにして童たちの良き遊び相手ともなる便利植物です。もちろん多様な用途の一つに野草茶も。
笹を採集
近くには和紙の原料になるミツマタが
茎から葉を切り取り、よく洗います
細かく切り刻みます
フライパンで煎ります
野外で行う場合は、茶器(パーコレーター)に投入して茶器(パーコレーター)で煎ると良いでしょう。もちろん火はたき火で。美しい火熾しも茶事、いや、パ事の一部です。
まず、茶器で湯を沸かしたら、煎った葉を茶器のストレーナー(フィルターみたいなやつ)に入れて、セット。茶が入るまでの間、たき火を愛でたり、目の前に広がる風景を眺め、そこから生まれた茶の素材に思いを馳せるのも乙ですね。
そんなわけで、パーコレーターで淹れた笹茶がこれです。
透き通った鶸色(ひわいろ)。クセのない香ばしい香り。
味は香ばしさの中にとろみのある甘味が感じられ、後味はすっきり。青臭さなどもないフツーにうまいお茶でした。妻も「これは人に勧めたい」と絶賛。
というわけで、新たな日本文化、パ道の世界にあなたもぜひ。
OK
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