2019/02/01

毛皮をなめす(ミョウバンなめし)②
2/01/2019

毛皮をなめす(ミョウバンなめし)②



 

人生初皮なめしはシカでした 右上はタヌキ

裏すきが終わったらここから、いくつかの選択肢に分かれます。植物から抽出した渋成分、タンニンを使ってなめす方法、クロムという化学薬品を使う方法、薬局などで売っているミョウバンを使う方法、他にも古来から伝わる方法に脳みそでなめす方法や、塩と菜種油でなめす方法などあるようです。今回は一番手軽なミョウバンなめしの紹介です。

なめし液に浸けた毛皮

ミョウバンなめしには液に浸ける方法と皮に直接擦りこむ方法があります。液につける際は1リットルにつき50g程度のミョウバンに30ℊの塩で溶液を作ります。焼きミョウバンの場合は湯を沸かして溶かします。結構人によって分量が違うので分量が多い分にはあまり問題はないと思います。浮いてこないように少し重しをして浸け込み、一日一度撹拌しながら一週間から十日ほど置きます。

擦りこむ場合は毛皮裏面にまんべんなくミョウバンを擦りこんで新聞紙でサンドして丸めて10日ほど置いておきます。確か、シカとタヌキは擦りこみ式でやりました。

板に打ち付け干します 真ん中はアナグマ、右はロードキルのウサギ

その後、液から出して水気を切り、板にピンと張って打ち付けるか、紐で四方から引っ張った状態で干します。塩気があるので、毛のある面は軽く水で流しますが、裏面まで水で流してしまうと生皮の状態に戻って干しあがりが犬用ガムみたいになってしまうので注意が必要です。

擦りこみ式は初めにカチカチになったミョウバンを何かで擦ってこそげ落とし、油を塗って同様に干します。干す際は日光や雨にさらされないところで陰干しです。

写真はありませんが、半乾きの状態の時に引っ張ったり、もんだり、柱などにこすりつけまくったりして皮の繊維をほぐして柔らかくしていきます。なお、最後の干しあげではしっかり板に打ち付けておかないと縮んでシワシワになります。


干しあがったら、また揉みまくったり、擦りつけたり、裏面をやすりで均一に磨いたりしてより柔らかくします。油も塗りこみます。

皮が革になりました

アナグマやシカ、ウサギやタヌキは皮が薄いからか柔らかく仕上げやすいのですが、イノシシは皮が分厚いためか、裏すきのときに脂肪が残りやすいためか、なかなか上手に柔らかくなりません。いつも巨大なスルメみたいになります。硬くて強靭なことを逆手に取り藁草履のソールにしてみたこともあります。確かに耐久性は高かったのでそういう使い方ならいいかもしれません。

今のところ用途は定まっておらず、飾ってあったり部屋のマットになっていますが、柿渋のように何年かしていい用途を思いつくでしょう。

OK

 

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