信州名物 蜂の子佃煮の作り方
先日のイナゴの流れで、以前住んでいた信州で食べた蜂の子の食べ方・調理法について紹介します。昆虫食全般の話については以前触れたため割愛します。
蜂の子は読んで字のごとく、蜂の幼虫です。採集の対象になる蜂の種類はだいたいクロスズメバチですが、オオスズメバチやミツバチ、アシナガバチなどもその対象になることがあるようです。
クロスズメバチ(Wikipediaより)
クロスズメバチは地中に巣を作るので俗に「地蜂(ジバチ)」とも呼ばれます。以前、夜に隊列を組んで山狩りをしていた際に前の人がこのジバチの巣を踏んでしまい、飛び出してきたジバチに首を刺されまくったことがあります。スズメバチと名前はついていますが、毒は大したことがなく、ちょっとチクチクする程度で済みます。蜂の子にする蜂の中では味が随一とのことですが、採集の危険性が比較的低いことも食材として選ばれる一因かもしれません。
採集してきたクロスズメバチの巣
採集は、クロスズメバチに印付きの餌を持たせて追跡⇒巣の場所を特定⇒巣を煙などで燻り、掘り起こすという手順で行うらしいのですが、ぼくはまだこの巣の採集の過程はやったことがありません。今後習得したいことの一つです。というわけで巣の採集方法の紹介はまたいつか。
巣の中から蜂の子を回収
ここからが地道な作業で、巣の穴からピンセットで一匹一匹蜂の子を摘まみ出していきます。幼虫は柔らかいので潰してしまわないように気を付けながら取り出します。中には蛹やほぼ成虫になっているものもいますが幼虫同様食べられるので一緒にとっておきます。
摘まみ出した蜂の子たち。
見慣れないと壮絶な絵面ですが、一度食べてその美味しさを知ると、これを見た感想は「気持ち悪い」から「美味しそう」に変わります。
まずフライパンを熱してうすく油をひき、蜂の子を炒めていくのですが、火の通っていない蜂の子はとてもやわらかく潰れやすいので、菜箸などで強くかき混ぜてはいけません。フライパンを振るようにしながら潰れないように丁寧に炒めます。 水分を飛ばすように炒めていき、だんだん水分が飛んでくると、蜂の子がフライパン上でコロコロ転がるようになるので、そうなれば菜箸などで多少荒く混ぜても大丈夫です。水分が飛んでいたほうが食感がいいです。
一方で砂糖醤油を作ります
醤油と砂糖を1:1の割合で混ぜて作ります。砂糖醤油の分量は蜂の子の重さの三分の一程度が目安です。
砂糖醤油を熱して煮立ったら、コロコロの状態になった蜂の子を砂糖醤油の中に投入。蜂の子を入れたら火は止めて、砂糖醤油にからめます。味をしみさせるために一晩ほど寝かせたら完成です。
佃煮と言うと調味料の味が強くて素材の風味が感じられないものもあったりしますが、蜂の子佃煮はしっかりと蜂の子の味がしてとても美味しいです。ピーナッツ味の肉という感じで、甘辛い砂糖醤油がよく合います。長野に住んでいたときには地元の農家さんがこの蜂の子をおにぎりの具にしていたこともあり、最初見た時は衝撃的でした。地域によっては、日本のソウルフード、おにぎりの具になるほど一般的な食材なのです。
味よし、栄養価よし、保存性よしの蜂の子佃煮、ぜひお試しあれ。
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