2019/03/17

石鹸作りに海へ行く/灰作り編
3/17/2019

石鹸作りに海へ行く/灰作り編


石鹸を作るために海に行く。一見意味不明ですが、いつも使っている石鹸がどうやってできているのか、それを一から見直していくと意味がわかります。

以前海岸で拾い集めた海藻を乾燥中 種類はホンダワラやアラメなど

以前、海に行って海藻を拾い集めました。これは海藻を焼いて、海藻の灰を作るためです。石鹸は、ざっくり言えば何かしらの油を、アルカリ性の物質と混ぜることで油が加水分解されてできます。これを「鹸化」と言います。

石鹸の起源としてよく言われるのは、動物の肉を焼く際に、灰の上にしたたり落ちた油が、灰をアルカリ剤として鹸化し、石鹸ができたというもの。


手作り石鹸について調べると、例によって油を鹸化させるためのアルカリ剤が必要になってくるのですが、ここで使われるアルカリ剤は大抵苛性ソーダで、これは劇物です。ちなみに比較的安全なものとしては重曹を使う方法が紹介されていたりもします。

苛性ソーダはそもそも薬品の後処理が大変だから嫌ということもありますが、何より自然な灰をアルカリ剤として、偶然発見するような形で石鹸が本当に作れるのかということが知りたいのです。

乾燥させた海藻をたき火で燃やす

おおまかに言えば灰から得られるアルカリ剤は木灰の場合は主に炭酸カリウム、海藻灰の方が炭酸ナトリウムとなります。前者は液状の石鹸、後者は固形石鹸を作るのに適していると言われています。ただ、灰から石鹸を作る試みの多くでは、この炭酸○○ウムを石灰岩や貝殻などから作った消石灰と反応させ、水酸化○○ウム(劇物)という強アルカリ剤にパワーアップさせてから使う方法のようです。つまり、灰から作ると言ってもこれらの方法では結局苛性ソーダにたどり着くというわけです。

とにかく燃やす ホンダワラがパチパチはじけてすごい音がする

鹸化の化学式を色々調べたりしてみても、確かに水酸化○○ウムと違って、炭酸○○ウムでは鹸化の反応は起こりづらいようです。ただ、だからと言ってそこまで手の込んだ製法だと偶然に発見できないような気もします。たまたま貝殻と植物など、雑多なものを一緒くたに燃やした後の灰に油が滴ったんでしょうか。

海藻灰、ほぼ完成 本当はある特定の海藻の灰がいいらしいが・・・

紀元前3000年ごろにはシュメール人によって石鹸の製法が確立されていた一方で、そもそも日本では石鹸というものが持ち込まれたこと自体が安土桃山時代とかなり最近です。初製造に至っては江戸時代と、日本は完全に石鹸後進国と言えます。なんででしょう。

石鹸作りはまだまだ取り組みはじめ、調べはじめなのでわからないことだらけですが、上手くいくにしろ、いかないにしろ、取り組む中で色々学ぶことができればいいなと思います。こういうときに、中高の化学を当時しっかり勉強していたら、と今更ながら思います。何かを学ぶときには興味と必要性が大事だと痛感する日々です。
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