2019/10/07

蓼食う虫も好き好き 藍の食べ方実験中
10/07/2019

蓼食う虫も好き好き 藍の食べ方実験中


現在、藍を育てているメインの目的は、綿の栽培から作った服を染めるための染料を得ることですが、藍はどうやら染めるという服飾目的のみならず、古くから薬用、食用にも使われてきたとのこと。染色にクローズアップされがちな藍ですが、実のところ衣・食どちらもカバーするマルチ作物なのです。というわけで、染色に先立って藍を食べてみる事にしました。タデ食う虫も好き好きと言いますが、その味やいかに。

藍の葉を採集

藍を食用にする方法は色々あるようで、新芽を刺身のツマにしたり、茶にしたり、天ぷらにしたり、若葉をサラダに乗せたりといった食べ方ができるそうです。中には色々な料理に使用できる藍の葉パウダーというものも今は売られているとのこと。

まずはお茶から

まずは一番手軽なお茶から。生葉を炒ってそれを煮出してお茶にします。


生葉とは別に天日で乾燥させた葉も煮出してお茶にしてみます。いずれもパーコレーターに丸ごと葉を入れて煮出します。原色牧野和漢薬草大図鑑によると、藍の種子・葉を煎じたものは、消炎、解毒、痔、扁桃腺炎、喉頭炎などに効果があるとのこと。


淹れたお茶は期待に反して普通の色。青色になるかと想像していましたが、炒った葉、乾燥葉、いずれのお茶も同じ色になりました。
乾燥葉のお茶は稲刈り前後の田んぼのような香りがします。藁というか、稲穂のついた稲というかそんな香りでそれ以外の何とも例え難い香りです。味も香りそのままの味がするのですが、やや苦みがあります。冷めると苦みがより強調されるので、温かいほうが美味しく飲めます。

藍の葉は乾燥させると本当に藍色になり、綺麗です。

炒った方は炒っている分、こうばしさが香りの前面に出ていて、乾燥葉茶よりも苦みを際立たせているように感じます。なにか上手にやる方法があるのかもしれませんが、現段階では乾燥葉茶のほうがマイルドで好きです。いずれにしても煮詰めすぎる・冷めている・葉の分量が多いなどするとかなり苦いお茶になるので、薄めて飲むと丁度良くなります。

次はサラダ。トマト、オクラ、ピーマンも畑で穫ったもの。

比較的若く、柔らかい生葉をサラダの上に少量乗せて食べてみます。藍単体で食べると結構苦みが強く、藍の葉がメインのサラダというのはきつそうですが、他の野菜の中に少量混ぜて食べる分には味のアクセントになって結構美味しいです。生ですが、青臭さはありません。

三番手おひたし

調べても出てこなかった藍の葉のおひたし。多分苦い事がわかっているから誰もやらないのだろうという事は既にわかっているのですが、とりあえずやってみました。
味付け無しの状態は確かに苦いですが、生葉ほどではありません。ごま油と醤油に和えて食べてみると、二種類の調味料の香りが苦みにマッチしてこれなら藍単体でも美味しく食べられました。おひたしは噛むと若干ぬめりが出て、食感も楽しめます。苦みを良い方向に持っていく味付けを考えれば藍単体での活躍にも可能性がありそうです。

ただ、食用藍について調べてみると、生葉にしても茶にしても、苦みやクセがないと紹介されているところもあり、栽培の方法や採集の時期、調理の仕方によっては、この苦みを抑えることができるのかもしれません。そもそも「食用藍」と紹介されているものは「染色用」とはどう違うのでしょう。品種?無農薬栽培?無農薬栽培が条件であれば我が家の藍は食用としても及第点なはずです。


今では染色のイメージが強いですが、実際は食べる事によっても色々な効能が得られる藍。昔は藍を食べたり薬用にしたりすることは珍しいことではなかったらしく、薬草に関する古典でも紹介されています。「藍商人は病気知らず」という言葉もあるそうで、昔の藍商人は胃薬代わりに藍の種を持ち歩いていたとか。現代になり、そんな食用・薬用としての利用が見直され、研究によって改めてその抗酸化作用や抗菌作用、その他も多くの健康効果が明らかになっているとのことで、調べてみると様々な食用藍の商品が売られています。

個人的に食材としてガンガン活用するにはまだまだ料理の研究が必要そうですが、色々な健康効果や栽培の容易さを考えれば、それをする価値は大いにあるんじゃないでしょうか。染めてよし、食べてよし、薬によしのマルチ作物、藍は畑のレギュラーメンバー決定です。
OK

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