2019/01/20

柿渋を仕込む・利用編
1/20/2019

柿渋を仕込む・利用編



柿渋の染物はちょっと変わっています。普通の染めは、染め上がりが一番色が濃いのに対して、柿渋染めは時間が経つにつれて色が濃くなっていきます。染めて(塗って)、日光に晒す、を繰り返していくと、どんどん色が濃くなり、しかも素材自体に柿渋の被膜ができて強靭になっていくのです。ぼくはそんなに回数をやってるわけではないので、実感しているわけではないのですが、染色時期による日光の強弱の関係で発色も時期により色々とのこと。

柿渋を絞るのに使い、茶色く染まった袋 

柿渋は一般的に1年以上寝かせてから使うようですが、柿渋を絞るのに使った袋を天日に干しておくとだんだん発色をしてくることから、仕込み直後でも一応使えるようです。

柿渋で染めたKAVUのストラップキャップ。使ってるうちにかなり色が落ちました。

また、柿渋の利用には他にも鉄の錆止めもあります。

鉄鋼ヤスリで作った小鉈 刃以外は柿渋で黒錆加工

鉄とタンニンを反応させて鉄の表面にタンニン酸鉄の被膜を作って防錆をするというもので、鉄瓶などの仕上げにも使われています。昔の風習で「お歯黒(鉄漿)」というものがありますが、あれもこの原理で歯の表面に黒い被膜を作っています。風習としてだけでなく、虫歯予防などの衛生面の意味合いもあったとか。


オピネル、モーラなど安くて切れ味の良い炭素鋼ナイフは結構人気がありますが、錆が気になります。でも黒錆加工をすれば、ちょっとだけ安心です。

柿渋を仕込んでから3年、今は色々と用途が頭に浮かびます。自給旅の雨除け道具の防水塗料として、自給した衣類・繊維関係の染色に使って防腐や補強に、やってみようと画策している漆工の下地塗りになどなど、夢は広がります。

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