野生ニベア 獣油軟膏の作り方と使用法
暖冬とはいえ、さすがに冷え込む最近、寒さと乾燥であかぎれに悩まされている方も多いと思います。そんなとき、野生ニベアが役に立ちます。
数年前、お世話になっていた猟師の方の家に、常備薬として置いてあったものに、「熊油」があります。猟で獲った熊の脂肪から採ったものだそうで、あかぎれに火傷にとこの野生軟膏を何かと重宝されていました。
そんなことが記憶にあったので、ぼくも野生動物を解体・精肉したり、毛皮なめしをする際に、このワイルド軟膏を作ってみました。
イノシシ
イノシシ皮をなめす 右のザルに入っているのが脂肪
皮なめしの際に、皮についている脂肪をこそげ落とす作業があるので、このときに出た脂肪を使います。皮なめし自体についてはまた後日。
冬場のイノシシは脂肪がたっぷりで、解体の際、毛皮をはがすのが大変です。
左からイノシシ、アナグマ、ウサギ ウサギは確かロードキルだったのでボロボロ
こそげ落とした脂肪を鍋で熱して、油を溶かします。溶けた油が鍋の底に溜まっているので、それを布などで濾して瓶詰します。
瓶詰作業中 右がイノシシ油、左がアナグマ油
こっちはアナグマの油 なぜかクロワッサンそっくりの甘いにおいがします
イノシシ油、アナグマ油と、どちらも暖かくなるとすぐに溶けるのですが、それぞれ溶ける温度が違います。生きているときの体温の差でしょうか。
冬場などは特に冷えて軟膏状に固まっているのですが、手などに塗ると体温で一瞬にしてサラサラになり、皮膚に馴染んでいきます。使ってみると確かにあかぎれによく効きます。ただ、一瞬で馴染んでいくだけに、ワセリンのように長時間、塗布した面を保護するような用途には向きません。あと、塗ってからは気になりませんが、イノシシ油の方はなんだかクレパスみたいな?変わったにおいが。
常温では白濁した軟膏状になっています
調べてみると、イノシシの油を精製して、保湿・美容液として販売しているところもあります。なんでも人の肌にすごくなじみやすい成分組成だとかなんとか。
イノシシ油は日本や中国の民間療法で使われるというような漠然とした情報しかありませんが、熊油に関しては調べてみると、情報が色々。民間療法なども含めその効能は・・・
切り傷、痔、あかぎれ、火傷、しもやけ、アトピー、ニキビなどなど。さらには虫よけ、お酒の悪酔い、胃薬にまで。
にわかに信じがたいものもありますが、もし本当に虫よけに使えるのなら便利です。テントなど使えない自給旅の就寝時の虫対策を考えていたところなので、今度だめもとでイノシシ油で試してみます。
OK
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