2019/01/31

杉茶
1/31/2019

杉茶


杉(スギ)はヒノキ科スギ属に分類される日本固有種の常緑針葉樹です。常緑ということで、松同様真冬の時期にも青々とした葉を付けているため、葉っぱに乏しいこんな時期でも採集できる貴重なお茶原料です。
杉と言えば昔から木材として使うため日本各地に造林されてきた植物でもあります。その材は家の建築材をはじめ、船や家具、工芸品や樽・桶・曲物などの日常の民具などにも広く使われ重宝されてきました。火熾しの火きり板にも使えます。
ただ、その一方でこのスギが春ごろに飛ばす大量の花粉に悩まされている人も多く、今や日本は花粉症大国ともなっています。

採集してきたスギの葉、食品乾燥機ドラミニで乾燥中

日本人の約4割が花粉症ということで、今様々な花粉症対策が講じられていますが、その一つとして昔からあるものに杉葉を煎じて飲む杉茶があるようです。所謂民間療法ですが、調べてみると販売をしているところもあります。ただ、この類の杉関連の商品で、花粉症の方が接種をすると重篤な症状を呈する可能性もあるとして厚生労働省が注意喚起を行っています。


調べてみるとこれを飲んで花粉症が改善されるとかされないとか、危ないとか大丈夫とか色々な情報が出てきますが、期待されている仕組みというのはアレルゲン免疫療法(減感作療法)によるもののようです。これはアレルギーの原因物質をあえて少しづつ体に入れる事で体を慣らし症状を和らげるというもの。毒を持って毒を制するということでしょうか。ただ、アレルギー物質を体に入れるわけですから人によってはアレルギー反応が出てしまうこともあるようです。

注意喚起がされるに至った原因は雄花の芽を加工した花粉加工食品による健康被害のようで、厳密には「スギ花粉を含む製品」という記述になっており、直接に杉の葉茶への注意ではないようですが、同様の仕組みで効果を期待するのであれば自分で杉の葉を煎じてそれを体に入れるというのは花粉症がひどい人ほどリスキーと考えるのが自然です。本来医師の下で適切な対応の下行う治療なので。
そもそもこの方法が有効であるかどうかはわかりませんが、少なくとも前述の注意喚起や減感作療法の知識は頭に入れておいた方がよさそうです。とりあえず民間療法として昔からあることは確かなようですが。


お茶を淹れている間の香りはそのまんまスギの葉の香りがします。ぼくは好きなにおいですが、花粉症がひどすぎて坊主憎けりゃ袈裟まで憎い状態の人には嫌なにおいかもしれません。


淹れたお茶の香りは麦茶のような香りです。今回は炒っていないのですが、香ばしい香り。色にはこれといって特徴がありません。
味は笹茶に少し似ており、甘みがあるのですが、口に含み続けるとごく僅かに苦みと渋みがあるような気がします。何気なく飲む分にはあまりクセのない美味しいお茶だと思います。色んな意味で飲む人を選ぶお茶ですので、決しておすすめはしません。

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