2019/01/26

松茶(まっちゃ)
1/26/2019

松茶(まっちゃ)


まっちゃというと抹茶を連想する方が多いかと思いますが、今回紹介するのは松(葉)茶です。正確にはまっちゃとは読まないと思います。でも耳触りが良いので松葉茶≒まっちゃということにしておきましょう。


今回使ったのは赤松の葉。アカマツはマツ科マツ属の常緑針葉樹です。常緑なので、こんな真冬の時期でも葉っぱは手に入ります。ブログの自給ネタに困るような冬季の救済植物です。
先駆植物として裸地から森林が形成されていく過程で初期段階に生えてくる木でもあります。ぼくの住んでいる地域はもともと酪農の牧草地があったところが森林になりつつある地域なので、先駆植物として松の林が多くあります。

木から採取できる松の樹脂、松脂(マツヤニ)

また、マツの樹皮や枝から出てくる松脂で手がベタベタした経験のある人もいるかと思います。たまに松の樹皮の間から大きな松脂の塊が染み出しているときがあります。これを集めておけば、たき火の時の着火剤になったり、すべり止めに使えたり、鋸の歯が柄からすっぽ抜けた時に固定するのに使えたりと便利です。
ちなみに松脂を精製した「ロジン」は、接着剤や、野球のすべり止めのロジンバッグ、ダンス会場の床の滑り止め、弦楽器の弓に塗布されたりなど身の回りでもちょいちょい使われています。

そんな印象が強い松なので、お茶にするとなんだか(マツ)ヤニくさいのではないかと一抹の不安を感じますが、どうやら昔から色々な薬効があるとされ民間でも親しまれてきたとのこと。中国の漢方書「本草綱目」にも紹介されているとなればもう試さぬ理由はありません。いつも通りパーコレーターで淹れていきます。

水分を飛ばすため、焦げない程度にフライパンで炒る。コンロが即席焼香台に。

炒り始めるとなんだか焼香の香りがして、キッチンに法事ムードが漂います。炒り終わりになると、若干焼香の香りにチョコの匂いが混ざったような香りになりました。

ストレーナーに松葉をセット しばし抽出


抽出の最中は相変わらず焼香の香りがします。が、淹れているときの強い香りに反して、できたお茶の色は思ったよりも薄く、本当にちゃんと抽出できているのか心配になります。

テイスティングタイム

飲んだ瞬間はほんのりとした松の香りと、甘味を感じます。松脂の甘ったるい香りがそのまま甘味になって舌の両側に広がるような感じです。で、なぜか後には仁丹に似た薬っぽい味と香りが口の中に残ります。若干の苦みがあると紹介しているところもありましたが、ぼくの場合は感じませんでした。抽出時間をもっと長くとると苦くなるのだろうか。

生薬としての効能は血液浄化・血管壁の強化・コレステロール値の低下・リラックス作用など。血液関係の効能に紐付いて脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化や冷え性にも良い効果があるとか。参考までに。

また、健康維持のために必要な栄養も豊富とのことで、中国では仙人が松の葉を常時食べていたなどと伝えられているとか。仙人マジか…。とにかく松葉、体に良いようです。

松もお茶に限らず多用途な植物のため、その他の用途についてはまた追々記事にしようと思います。

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