樺巻の古鉈
先日、郷土資料館から譲り受けた民具のうちの一つに古い鉈があります。結構ボロボロながら味があり、サイズも手ごろなので再生して使いたいな、と思っているのですが・・・。
譲ってもらった鉈
割と凝った細工がしてあります
桜の樹皮は強靭なので、かつては刀の鞘の補強にも使われたようです。また、曲げわっぱの弁当箱などで印象的な曲げ物の接合部分も丈夫な桜の樹皮で縫ってあったりします。
アイヌマキリ(参考:Wikipedia)
アイヌの小刀「マキリ」の鞘は、木をくりぬいて作る方法と、一本の木を割って、刃を収める部分を掘ってからまた一つに接合する方法があるようですが、後者の場合は接合の時に補強として鞘に桜の樹皮を巻きます。
樺細工も一度やってみたいと思っていることの一つです。
腰に括りつけるための紐は古裂を撚って作ってあるようです
「山」の焼き印
柄には先日も記事にした「山」の焼き印があります。柄の「山」の字に持っている焼き印を合わせたらぴったりだったので、恐らく同じ焼き印でつけたものと思われます。
肝心の刃は大きく欠けてボロボロ 多少の刃こぼれや錆だけならなんとかなるのですが、、
片刃の裏側 欠けているというか割り込みの鋼が剥がれているような感じ
剥がれている部分は多分砥いでもどうにもなりません。刃をカットして細工用の短いナイフにしてしまうか、同じサイズの鉈を見繕って購入して刃だけ交換するか、、いい方法を考え中です。刃を短くするとあの立派な鞘も一緒にカットしなくてはいけないので今のところ刃を交換するほうがいいかな、と思っています。
以前のように鉄工ヤスリを削って刃を作ることもできますが、鞘に合わせて作るとなると結構時間がかかるのでこれは多分やりません。
以前古道具屋で購入して再生した小さい鉈 鞘がなかったので竹で自作
以前、古道具屋でサビサビで刃こぼれだらけの小さい鉈を買った(300円)ことがありますが、これは磨いて砥いだら使えるようになりました。今もたまに竹細工なんかのときに使います。
買った当初の写真がないのですが、見違えるように綺麗になりました
観賞用、資料用として古民具を手元に置くのもいいですが、実用品として見て再生してみると、案外新しい発見があったりして面白いものです。鉈の再生は当分後回しになると思いますが、どんなふうに蘇るのか、楽しみです。
OK
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