青木茶
そのへんで目についた植物、毒がなければ全部それなりに美味しいお茶になるんじゃないか、と思い始めた今日この頃。本日のそのへんの植物は、「青木(アオキ)」です。
青木(アオキ)はアオキ/ガリア科、アオキ属の常緑低木です。枝や若い幹が緑色であることや、葉が常緑であることから「青」木と呼ばれるようです。
あまり日の当たらないところで育ち、実が色付くと、冬でも青々とした葉や枝に実の鮮烈な赤がとても映えて目につきます。
その赤色はマムシグサのそれを思わせるような色彩であることも相まって、一見「毒なのでは?」と思わせます。
実を食用にするようなことは聞いたことがないですが毒もない様子。試しに食べてみると、果肉が沢山あるように見えてほとんどが種で、果肉自体はかなり薄い(というか皮)です。味は意外にうっすら甘く、薄っぺらい果肉はモサモサした食感。モサついたリンゴの皮を食べているような感じです。サルビアやつつじの蜜を吸うような感覚でチマチマ食べるなら、いいかもしれません。ちなみに、新芽は山菜として食べられるとの事。
葉を細かく切り刻む
そんな無毒植物アオキは例に漏れず茶になるのかと調べてみたところ、「茶」として紹介されているところはなかったですが、健胃作用や利尿作用を期待して薬として煎じて飲むといった民間療法ならあるようです。
刻んだ葉を炒る
アオキの葉は、切り取ったり、乾燥したりすると黒く変色してしまうようですが、これは「アウクビン」と呼ばれる成分によるものだそうです。これは抗菌・抗炎症作用を持つ成分で、民間療法でもこのアオキの葉を火で炙ってから切り傷や火傷、腫物などに貼ったり、葉を煮詰めて軟膏を作り、塗るといったものがあります。日本に古くから伝わる民間薬、陀羅尼介の素材としても度々挙げられることからかなり古くから薬用植物として民間に定着していたようです。
パーコレーターで抽出中。もはや野草茶製造機と化したパーコレーター
淹れているときは甘い緑茶?のような割といいにおいがします。wikipediaにはアオキに関する説明文に「葉に苦味健胃作用があり」などと書いてあるので、においに騙されまいとやや身構えます。セイタカアワダチソウのときはにおいと味のギャップに驚いたので・・・。
完成
お茶からは相変わらずやや甘みを感じさせるようなにおいが立ち昇ります。一番近いもので言えば、栗饅頭と緑茶・抹茶が混ざったようなにおいで、結構おいしそうです。センブリ茶くらいに苦い事を覚悟しながら飲んだその味は、意外に全く苦くなく、むしろ美味。濃さは淹れ方次第だとは思いますが、薄い甘みの中に茶のにおいそのままの味がうっすら感じられ結構おいしいです。
葉っぱを茹でて食べたら苦かったということもあるようなので、いつ試しても美味しいお茶になるとは限らないのかもしれませんが、少なくとも今回淹れたお茶は美味しかったです。アオキは注意深く見るとけっこう身の回りにありますが、こんな有用植物だったとは、驚きです。
気付かないだけで身近に沢山ある有用植物。それらに気付くための手軽なきっかけの一つとして、野草茶、おすすめです。
OK
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