檜(ひのき)茶
その辺の植物はだいたいのものがお茶になるということで、今回は檜(ヒノキ)の葉でお茶を淹れてみました。
檜の葉を採集
檜(ひのき)はヒノキ科ヒノキ属の針葉樹です。杉と同様日本でも古来から建築材などに重宝されてきた木で、現在でも好んで使われています。注目すべきはその抗菌効果、防虫効果、防臭効果とのことで、シロアリなどの害虫に侵され辛く、ダニを寄せ付けず、カビにも強く、アンモニアなどの悪臭の原因物質を除去するなどの長所があるそうです。建材としてまさに死角なしといっていいのではないでしょうか。経験としてそんな木材の特性を知り尽くしていた先人の知恵には感服させられます。
檜の葉
檜の幹だけではなく、葉にも同様に、抗菌作用、抗ウイルス作用、利尿作用、免疫強化などの色々な薬理効果があるとのことです(出典:「香り」の文化と癒し)。お茶もそうですが、魚などの運搬の際に檜の葉を敷き詰めるのもそういった効果を期待してのものだと思われます。
また、檜茶は杉茶同様に花粉症対策として飲むといいみたいな情報も見かけますが、これは減感作療法としてではなくて、免疫強化の部分に着目しての事でしょうか。以前も書きましたが、減感作療法として飲用するのは素人にはちょっとリスクがあるように思うのでおすすめはしません。とはいってもぼくも専門的な勉強をしたわけではないので正確なところはよくわかりません。
葉の裏の白い筋が「Y」のものが檜、「X」になっているのがサワラです
檜には防虫効果があるとのこと、檜葉で蚊取り線香など作れないだろうか。たき火の中に生葉を投入して煙を出すのもいいかもしれない・・・。目指す自給歩き旅は多分暖かい時期に行うので、防虫策でなにかいい知恵はないかと考え中です。
炒っているとすぐに葉の表面に油分が浮いてきてテカテカになります。
お茶が冷めると浮いていた油分が固まってよく見えます
炒った葉をパーコレータに入れ、30分くらいかけて煮出します。今回はストレーナーなしの直煮です。浮いてくるのは檜の精油成分です。檜の葉の精油成分に多く含まれているのはテルピニルアセテートやサビネン、テルピネオールなる物質とのこと(出典:「香り」の文化と癒し)で、これが檜独特のいい香りや、檜にまつわる効果効能の素だそうです。ただ、この精油成分は幹と葉では含まれているものが違うとの事。
淹れた檜茶 檜のいい香り
淹れている最中や、淹れたお茶からは檜のいい香りが立ち昇ります。飲んでみたその味の感じ方はというと「あ~いい香り(香りで甘いように一瞬感じる)⇒いや酸っぱい?⇒いや、これ微妙にエグいのか?⇒あ、ちょっと口内が痺れる」みたいな感覚が3秒くらいで駆け抜けていきます。香りはすごくいいのですが、微妙に山椒の痺れみたいな感覚が口に残るので、「大丈夫なのかこれ…。」という一抹の不安がよぎります。前述した精油成分のサビネンはコショウの辛み成分でもあるようなので、そのせいでしょうか。
先例を調べてみると、この自作檜茶の味は「木によって味が違う」「すごくおいしい」「すごく苦い」など感想に結構ばらつきがあります。改善のポイントとしては「炒り足りなかった⇒入念に炒るか、よく乾燥させる」「木を変える」「採る時期を変える」「煮出す時間を変える」くらいでしょうか。何はともあれ檜はお茶に留まらず人間にとって都合のいい特性を沢山備えた便利植物であることは確か。色々活用していきたいです。
OK
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