黒文字(クロモジ)茶
いい香りのする花・草などはよくありますが、木にもいい香りのするものがあります。黒文字(クロモジ)はその一つです。今住んでいる地域の山には結構たくさんのクロモジが生えています。
クロモジの木 季節的に今は落葉しており、冬芽がついています
クロモジはクスノキ科クロモジ属の落葉低木です。所説ありますが、樹皮に見られる黒い斑点が文字のように見えることが名前の由来として知られています。
若い木の樹皮 黄色みがかった緑色
ある程度成長した樹皮 緑がかった名残を残しつつ、灰色のざらついた樹皮に変わっていきます
4月の頭頃になると、小さな黄色い花が咲き綺麗です。ですが特筆すべきは、その枝葉の香りです。葉をもんだり、枝を折って嗅ぐと、レモンのような爽やかな香りがします。また、和菓子用の楊枝を「黒文字」と呼ぶことがありますが、このクロモジの木を使って作られていることからそう呼ばれています。
若い枝を採集 若い枝は名前の由来とも言われる樹皮の斑点が顕著
採集した枝を
細かく切ります なるべく成分を抽出できるように斜め切りです
湯を沸かし、そこに切った枝を投入
今までの野草茶は大抵原料を炒ったり乾燥したりしてから使っていましたが、今回のクロモジ茶はその工程がいりません。野外でぱっと茶を淹れるのにこれは便利。
淹れている最中は、周囲にクロモジのいい香りが立ち込めます アロマディフューザー兼お茶です
ヒノキなどと同様、精油成分が多く含まれているため、淹れていると表面に油が浮いてきます。
クロモジ茶
口に含むと、クロモジの香りが鼻に抜けていき、とても清涼感があります。なんだか全体の雰囲気はレモンティーのようですが味は薄味。最後の方に少しだけ口の中に酸味が残ります。ちゃんと酸味を感じるお茶はガマズミ茶以来です。湯に対してクロモジを多目にすると酸味がさらに強くなりそうです。渋さ、苦さはなく、砂糖を入れて甘くして飲んでみたい味です。味も、手軽さも高得点なお茶でした。
クロモジエキスはインフルエンザの予防効果もあるとのニュースが割と最近ありました。なんでもクロモジが含む成分がウイルスの増殖を抑えるとかなんとか。
お茶だけでなく、クロモジはカンジキの材料として使われたり、歯ブラシ代わりに使われていた歴史があったりとかつて色々人間の生活に関わっていた植物のようです。せっかく身近に沢山あるので、その利用法、掘り下げていきたいです。
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