2019/02/07

たたら製鉄/砂鉄集め
2/07/2019

たたら製鉄/砂鉄集め



 

なんでも自給しようと思った時、困るのが鉄です。そして逆に無いと仮定したとき、不便だと思うことが多いのも鉄です。石器と鉄器の威力の差は歴然です。火を熾すにも、鋼でできた火打金を使って打撃式で行う火おこしは、摩擦式と比べ、労力において雲泥の差があります。人類の大発明、鉄を自給したい。

自分でたたら製鉄

そう思ったのが約2年前。海で砂鉄を集めて、耐火煉瓦と山から採ってきた粘土で窯を作って、独学で「たたら製鉄」に挑戦しました。

「のろ出し」工程

たたら製鉄とは、日本で古代から行われている製鉄方法です。自然の中で酸化鉄の状態で存在する砂鉄を、木炭の燃焼で発生した一酸化炭素や、炭素そのもので還元して純度の高い鉄を得るという製鉄手法です。現在も全国の刀匠の方々が扱う原料の鋼を作るために、日本美術刀剣保存協会が「日刀保たたら」という名で行っています。
ぼくのやっている製鉄は鉄を得る原理としては同じなので一応「たたら」と呼んでいますが、本物のたたらは炉の地下構造がものすごい大規模だったり、炉自体の原料も形も違ったり、背景にいろんな文化やしきたりがあったりします。なので、本物と比べると飯事以下だということを前もって言っておきます。

流れ出た「のろ」

今まで、自分で挑戦したのは3回、最近仕事で子どもと一緒にやった1回も含めると、合計4回やりました。1、3、4回目は成功し、鉄ができました。2回目は、欲を出して砂鉄に加えて1回目で作った鉄も一緒に溶かしてやろうと窯に投入しました。が、ノロを沢山出すために石灰を入れたのが裏目に出て(入れすぎた)、弱い磁性を持つ謎の岩石みたいなものができて全てパーになりました。

窯を崩して「鉧(けら)」を取り出す 

そして、気を取り直して3回目、再び成功して鉄ができたのでした。ただ、この鉄を道具にするには鍛冶の技術が必要です。たたらも鍛冶も極めていくには何十年単位の修業が必要だと言われていますが、拙いながらもなんとか使えるものができればいいので、できる範囲で鍛冶もやってみたいと思っています。というわけで、ぼくの鉄器制作は現在鍛冶の工程で停滞しています。

できた鉄の一部

ただ、鉄はできたにはできたのですが、作る工程で使う炭は買ってきたものだったり、(4回目だけは子どもと一緒に焼いた炭を使った)、送風機も電動ブロワーだったりと気に入らない点もあります。また、たたらのコツもちゃんと掴めているわけではなく、なんとなく「できてしまっている感」があるので、ちゃんとできるようになりたいという気持ちや、そもそもできた鉄自体もあまりうまく作れているとは思えません。要は鍛冶に移る前にたたら自体にも課題が沢山残っているということです。

最初期に作った鉄 時間が経って錆びてしまった

前置きが長くなりましたが、そんなわけで5回目のたたらをやろうと砂鉄集めから再び始めたということです。

黒いところが砂鉄溜まり

まず砂浜に行き、砂鉄の集まっているところを探します。集まりやすい浜はだいたい決まっていますが、同じ浜でも時期の波の様子によって、分厚い層になって堆積している日と全然ない日があったりします。無い日は頑張るだけ時間の無駄なので、諦めて別の日にします。この日は作業をするかしないかかなり迷う程度の集まり方でした。

砂鉄集めの道具 タッパーと小さいハンドバッグと土嚢袋と

でかい磁石 磁石以外は全て100均です

もちろん先人は磁石で砂鉄を集めていたわけではなく、水の流れを駆使して、比重で砂などの不純物と砂鉄をよりわける「鉄穴(かんな)流し」という方法で砂鉄を採っていました。これもやってみたいのですが、大規模な設備が必要なので妥協しています。

 

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