藤皮繊維を利用する
「藤(ふじ)の根」
そんな「気になるものリスト」の中の一つとして、これを頭の片隅に留め少し経ったある日、仕事の関係で地域の方にぶちゴマについて教えて頂く機会がありました。その中で、実際に鞭を作る方法や材料の採り方、処理の仕方などを教えて頂きました。鞭の素材となっていた繊維質の植物の正体は「藤(ふじ)」の根の皮でした。
その藤を最近、仕事がてら少し採る機会があったので紹介します
まずは藤の根を探します。藤の花が咲くごろに大体の場所の検討をつけておくと探しやすいですが、そこまでしなくても見つけるのは大変ではありません。他の木の根よりも白っぽく、薄皮にしわが寄ったような独特の木肌をしているので、あれば目につきます。
鉈で切り
引っ張り出す
根は大抵地表面近くをを真っ直ぐ這うように伸びているので、地表に出ている部分を探して、一端を切り地面から引っ張り出します。太さは太くても3cm程度までのものが使いやすいように思います(ぶちゴマや即席ロープとして使う場合)。
このように沢山枝分かれしているもの、節くれだっているものはだめ
採って来たら根を木槌や金槌などで叩いて、中心の木質部と皮をほぐします
全体がほぐせたら、木質部から皮を引っ張り、剥がします
剥いだ皮を藁縄作りの要領で綯うと
丈夫なロープになる ただ、綯わなくても十分使えます
剥がれた皮の繊維は柔軟性・引っ張り強度・摩擦にも強く、縄を綯うと結構丈夫なロープになります。キャンプなどでその場で即席で小屋掛けするときに、結束に使えます。
調べてみると、藤の蔓から繊維を採って織る「藤布」というものはカラムシの布と同様全国に広くみられる古代布のようで、現在でも伝承されている地域があるとのこと。繊維の質的に、綿や絹に比べ緻密な織は難しいようですが、その分通気性が良く頑丈(耐用年数10年以上)で夏の作業着などに向いているらしいです。カラムシの昭和村もですが、この藤布の伝承地域にも近々勉強に行きたいです。
OK
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