ニッターズ有機台貫刀杼ルーム/整経・糸綜絖作り
衣類の自給の一環で先日、卓上機で機織りの練習を開始。が、今回購入した卓上機の筬では横幅に対して経糸の数が少ないため、仕上がりの布目がやや粗いということが判明しました。洗うと多少目が詰んだので、一応許容範囲ではあるのですが、引き続き何かいい方法はないかと経糸を筬一羽に対して2本にする方法、ウールを混ぜて織ることで洗濯時に縮ませ目を詰ませる方法など色々頭の中で対策を考えていました。
アシュフォード社ニッターズルームの筬60羽
根本的な解決としては経糸の数(羽数)を増やすことができればいいのですが、筬と綜絖の二役を兼ねているニッターズルームの筬は構造的に羽数を増やすのは大変そうです。そこで、いっそ筬を使うのをやめて、原始機/地機方式で糸綜絖を作ることにしました。作るのは多少大変ですが糸綜絖なら経糸の数をかなり増やすことができます。
原始機・地機・高機 「弥生の布を織る 機織りの考古学」より
機の中でも比較的新しい高機では下糸と上糸の操作に針金のような細い金属製の綜絖を使っていますが(針金なんかない昔の高機の綜絖の素材が気になります)、原始機や地機では、一回の織ごとに糸で綜絖を作ります。高機のような綜絖を作ることも一瞬頭をよぎりましたが、職人技すぎて多分習得するのにそれだけで一生かかります。
原始機の構造
これが原始機の構造です。糸綜絖で下糸だけを持ち上げ、緯糸を通す杼道を開けます。上糸を持ち上げる時は中筒を立てて、糸綜絖はフリーにするといった操作方法です。
こんな感じです
こんな感じで緯糸に下糸・上糸を交互に絡ませながら布を織りあげていくということです。大変シンプルですが、これを考えついた人はすごい。
そんなわけで整経作業を開始
一先ず実験。糸は100均のコットンレース糸を使い、幅はかなり狭めで整経していきます。
丁度良い物がなかったので板杼を中筒の代用として使う
タコ糸で糸綜絖作り
下糸を一本ずつすくって糸綜絖を作ります。結構大変です。ただ、とくに方法を調べもせずに勢いでやったので、正しい方法かわかりません。
一応下糸はちゃんとすくえていますが、一部綜絖の長さが不揃いです。
もし、自作の糸を使って織る際に糸綜絖を採用するなら糸綜絖作りもちゃんと勉強する必要がありそうです。
完成 これで織っていきます。
機台はニッターズルームですが、構造は原始機というヘンな織り機が完成しました。原始機と違ってこれから織っていく経糸も織り終わった布地も機台に巻き取っておけるので、コンパクトな原始機という感じです。
原始機は、機台がなく、緯糸を緯越具「貫」を使って通し、通した緯糸を刀状の杼「刀杼」で打ち込むという特徴から、機の分類名として「無機台貫刀杼機」という名前もあります。というわけで、今回完成したこの機は「ニッターズ有機台貫刀杼ルーム」と名付けます。追記:織り進んでいます
OK
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