2019/03/03

宿木(ヤドリギ)茶
3/03/2019

宿木(ヤドリギ)茶


宿木(ヤドリギ)というとポケモン世代のぼくは「やどりぎのたね」という技を思い浮かべますが、この宿木は実在する植物です。だいたい木の高いところに球状にモジャモジャと生えているイメージだったのですが、先日通りかかった木の手の届く位置に生えていたので採集しました。

球状にモサっと生えているのが宿木 落葉樹に寄生するので冬場はすごく目立ちます

宿木はビャクダン科ヤドリギ属の灌木で、ブナ・ミズナラ・サクラ・ケヤキ・クワなどの落葉樹に寄生します。が、寄生は寄生でも半寄生植物と言って、宿主から栄養を貰う一方で、一応光合成をして自分でも養分を作ります。寄生の仕方が面白く、すごいネバネバした成分を含んだ果実を鳥に食べさせ、糞として出てきたネバネバの種が木に付着してそこから発芽するという方法で寄生します。だから大抵高い位置に茂っているのかもしれません。

球状にまとまって生えたヤドリギは高い位置にあるので、低いところにちょろっと生えたやつを採集

寄生植物とは言うものの、栄養の確保の仕方は大雑把に根と葉の2本柱であり、そこのところは他の植物と変わりありません。頼る基盤が木か土かという差と思えば他の植物は土に寄生していると言えなくはないような気もします。

採集したヤドリギ 初めて近くで見ました

葉や茎はサラっとマットな質感で、肉厚な印象ですが、結構脆弱で千切れやすい

宿木を乾燥させたものは「桑寄生」と呼ばれる生薬になるそうです。高血圧、利尿、リュウマチ、神経痛、胎動不安などに効果があるとのこと。

葉、茎を細かく切ったものを炒ります 炒っていると葉が膨らみます

細かく切っているときは結構青臭いにおいがします。炒りはじめると森の中で雨が降ったときのような青生臭い?ようなにおいに。炒り続け、水分がある程度飛ぶと、若干抹茶のようなにおいもしてきます。
炒っていると葉っぱが膨らんでポスポス音を立てて小さくはぜるのが面白いです。

パーコレーターで煮出して完成


淹れたお茶は豆系のお茶のにおいで親しみ深いです。味も豆系のお茶のような雰囲気で、甘みはないですが、クセもなく何だか飲み慣れた味がし飲みやすいです。普段無理なく常飲できるようなおいしいお茶だと思います。

先述した宿木の果実のネバネバは、昔「トリモチ」の原料として使われていたとのことです。こちらにも興味があるので、ぜひ今後果実も採集できればと思います。※トリモチを鳥獣の狩猟目的で使用することは現在鳥獣保護法で禁止されています。
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