翡翠(ひすい)を拾いに糸魚川
1 2
2016年に日本鉱物学会により日本の国石として定められた石、翡翠(ヒスイ)。翡翠の産地は日本に数か所ありますが、その中でも一番有名な産地は新潟県糸魚川市です。昨年、色々考えるところありこの翡翠を拾いに糸魚川まで行きました。
縄文時代のヒスイ装飾品
糸魚川産翡翠 これは採集の参考にと購入したもの
ただ、この「ジェード」とは緑色の特定の質感を持つ石の総称であり、鉱物学的には2種類の石に分類されます。一つは「ネフライト(軟玉:透閃石)」、もう一つは「ジェダイト(硬玉:ひすい輝石)」です。中国発祥のジェード文化最初期に見られるのは前者のネフライトですが、17世紀になり、ビルマでジェダイトの一大産地が発見され、これが中国に持ち込まれると、中国のジェード文化はネフライトから、より色彩鮮やかなジェダイトに変遷していきました。
糸魚川から続く千国街道 拾った翡翠を身に着け、街道を歩いて「運んで」みたかった
千国街道
で、なぜ翡翠を拾いに行こうと思ったかと言う話。婚礼歩き旅で歩いた千国街道は、この翡翠の産地糸魚川から内陸に伸びている古道ですが、その歴史は縄文時代まで遡るとのことで、太古には翡翠もこのルートに乗って各地に運ばれていたようです。ならば、その糸魚川産の翡翠を身に着けて太古の人たちのように千国街道を通じて「運びたい」、そして、それを二人の結婚記念品にすれば思いの籠もったいいものになると思ったわけです。そんなわけで、歩き旅に先立って妻(当時彼女)と糸魚川へ翡翠を拾いに行ったのでした。
車中泊ができる・安い・農作業に使えるという理由で買った2代目箱バン
だいたい旅行の際は箱バンにキャンプ装備を積み込んでの車中泊旅行です。どこでも寝られて、宿泊費もかかりません。「ヒスイ海岸」のでかい看板目がけてやってきました。早速浜に降ります。
翡翠探しスポットはいくつかありますが、わかりやすい看板があるのでここが一番メジャーっぽい
たまに柄の長いお玉みたいなものや自作の道具を持ったベテラン住民が歩いていたりします。この日は日暮れまで探し、車中泊して翌日も場所を変えて朝から夕方まで探し、その後、鑑定&勉強のため近くのフォッサマグナミュージアムに行きました。
地元の方が長年拾い集め、寄贈された翡翠がずらりと並ぶ
フォッサマグナミュージアムはフォッサマグナや糸魚川翡翠の事を中心に、様々な地質に関する事を学べる博物館です。6年ほど前に一度洞窟探検に関わる話を聞きにきたことがありましたが、今回は翡翠です。どちらの視点で訪れても最高に楽しいです。地元の方が長い年数をかけて拾い集めた翡翠のコレクションの展示があるので、とても参考になります。(最初に見に来ればよかった)
拾った石の鑑定
また、週に4日、拾ってきた石を学芸員の方が鑑定して下さる日があるので、持っていくと拾った石が何か教えてもらえます。見て頂いた結果はというと、「ヒスイは緑」の印象が強すぎて集めた石の殆どは「キツネ石」という石でした。濡れているときはきれいな緑の入った石なのですが、乾くと白くくすんでしまいます。ヒスイ目当ての人が「キツネに化かされた」ような思いをするということからこんな名前をつけられているようですが、どうやらこれはこれでこの地域でしか採れない珍しい石でもあるそうです。
透閃石(ネフライト)や蛇紋岩など、殆どがヒスイ以外の石でしたが、一つだけヒスイが紛れていました。「こんなにキツネ石ばかり拾う中でヒスイが紛れているのはまれ」と言われました。ビギナーズラックです。
富山県朝日町の名物 たら汁
食事は旅の楽しみの一つ。新潟~富山間のいくつかのヒスイ海岸巡り道中で、地元の郷土料理「タラ汁」を食べに行きました。かつてこの地域は沢山のタラが水揚げされていたようで、それに関わる郷土料理の一つがタラ汁とのこと。
タラ汁 800円でこのボリューム
金鍋に入ってそのまま出てくる感じがなんともアットホームで良いです。
白子と真子の煮付け400円 これもめっちゃうまい
値段もリーズナブルで、まさに鱈腹食べられました。ちなみに朝日町にはタラ汁を出す食堂が密集しているところがあり、タラ汁ストリートと呼ばれているとか。今回食事をさせて頂いたのはそんなタラ汁ストリートの中にある「栄食堂」さんでした。
1 2
0 コメント:
コメントを投稿