2019/02/17

織機部品の名前について
2/17/2019

織機部品の名前について


衣の自給の一環で取り組んでいる機織り。ぼくが今取り組んでいるのは、比較的構造のシンプルな卓上機や原始機の類なのですが、それぞれの織機に色々な部品があり、厄介な事に機の種類によってその名称と役割が入り乱れています。記事を書く上でも結構混乱するので、自分なりに整理しておきたいと思います。


高機のような複雑な織機の部品も、同じ布を織る道具なので、一番構造が簡単な原始機の部品と基本の役割は同じです。

・経糸を巻き取っておく「経巻具」
・織った布を巻き取る「布巻具」
・経糸(下糸上糸)を操作する「開口具」
・経糸の幅や密度を整える「経調整具」※原始機ではあまり使わない
・緯糸を経糸の間に通す「緯越具」
・通した緯糸を打ち込む「緯打具」

巻具に関しては特にややこしい事はないので割愛します。
まずは「開口具」について

糸綜絖


原始機・地機の場合は綜絖と中筒を併用して経糸を操作するため、この二つが開口具ということになります。高機の場合は綜絖のみを使用して経糸の操作を行うので、高機の開口具は綜絖のみです。これはわかりやすい。

次は「経調整具」について

ニッターズルームの「筬(おさ)」

経調整具は機の種類によって使われない場合があったり、役割が多岐にわたる場合があります。大抵「筬(おさ)」という名前で呼ばれます。原始機や地機では使わない事が多く、使ったとしても純粋に経糸の調整の役割しか果たしません。
が、高機ではこの筬が経糸の調整以外に「緯打具」として緯糸の打ち込みにも使われます。


また、ニッターズルームの筬は、調整具、緯打具としての機能に加え、経糸を上下に分ける「開口具」としての役割も担っています。「弥生の布を織る」の中で、この筬と同様の構造の部品を使う機として、新潟県の編布衣料に伴う帯「バトウオビ」を織る機が紹介されています。詳しく知りたいのですが、調べても出てきません。

次に「緯越具」

ニッターズルーム付属の「板杼(いたひ)」

緯越具には大抵「杼」という漢字を含んだ名称がついています。高機に使われるのは車輪のついた舟形の杼で、中に糸を巻き付けた管が入っており、緯糸を通すためだけに使われます。ニッターズルームに付属している板杼の用途も緯糸を通すだけですが、色々な種類の板杼の中には一辺を薄くしてあり緯糸を打ち込むことができるものもあります。
地機の中には棒や板に糸を巻き付けた緯越具で緯糸を通し、緯打具で緯糸を打ち込むものと、緯越具と緯打具が一体になった管大杼という杼を使い、一つの部品で緯糸通しと打ち込みを行うものがあります。
また、場合によってはこの杼が開口具の中筒の役割をすることもあるようです。

次にぼくが混乱した「緯打具」

竹定規で代用 ある程度薄っぺらくて長細くて丈夫なものなら何でもいい。多分。

純粋に緯糸を打ち込む機能しか持たない緯打具は原始機と一部の地機で使われていますが、これらをややこしいことに「刀杼(とうじょ)」「大杼(だいじょ/おおひ)」などと呼びます。緯越具の役目はありませんが「杼」という名前がつきます。一体「杼」は緯打具なのか、緯越具なのか。
「弥生の布を織る」の中では「杼は本来、緯打具の役目をする」と書かれていますが、今の部品たちの名称と機能を見るに、「杼」は殆ど緯越具にとって代わられているように思えます。本当かわかりませんがネット上には杼の漢字の成り立ちは緯糸を通す緯越具の象形文字という説明なんかもあります。


というわけで、織機の部品は長い歴史に伴う改良の過程で部品の役割と名前が一部入り乱れています。必ずしも部品の名称が直接その機能を表すわけではないということで、記事を書く上でややこしいのですが、なるべく誤りのないようにしていきたいと思います。
OK

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